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カーボンニュートラルに向けた燃料電池用金属セパレータ技術開発

カーボンニュートラルのハブとなる燃料電池

燃料電池は、水素と酸素の化学反応によって電気と水を生成する発電装置です。化石燃料に比べて環境負荷が少なく、再生可能エネルギーと組み合わせることで、持続可能なエネルギー源としての役割を拡大することが期待されています。こうした技術革新の進展により、燃料電池は、自動車を始め発電設備、家庭用燃料電池など、さまざまな分野で活用されるようになってきており、これからのカーボンニュートラル社会のハブとなる役割を担っております。

金属セパレータへの技術開発と取組み

サイベックコーポレーションは2004年より金属セパレータの金型製作・プレス加工の技術開発がスタートし、現在に至るまでに計51件の案件に取り組んでいます。各社大手自動車メーカーとともに金属セパレータの設計段階からプレス成形性の評価し、多種にわたり、金属セパレータの試作開発を行ってきました。サイベックコーポレーションを選んで頂ける理由として、①地下工場で製作する超高精度金型、②共同開発した高剛性プレス機により、高精度な金属セパレータのプレス加工を実現できることです。金属セパレータの材質はステンレス・アルミニウム・チタンを主に板厚0.08~0.2mmの金属セパレータのプレス加工実績があります。また、 最近ではこの先将来を見据えた大判サイズの金属セパレータ順送プレス加工技術の開発に取り組んでいます。プレス加工後の後工程も考慮し、お客様の要望に合わせた製造ラインのご提案をいたします。

金属セパレータ

金属セパレータの試作実績

2004年~2022年 50案件の試作受注

2004年~2022年 50案件の試作受注

直近3年の試作案件実績

2021年度

2022年度

2023年度

素材

金属セパレータは、燃料電池の主要部品です。従来はカーボン製セパレータが使用されていました。しかし、近年では、低コスト化、コンパクト化、耐衝撃性などの観点から金属セパレータが注目されています。 金属セパレータの材料としては、ステンレス、アルミニウム、チタンなどが主流です。特に、今後ステンレス鋼は最も期待されている材料の一つです。

素材

サイズ

技術開発した金属セパレータは手のひらサイズ(JARI規格)から大判サイズまでの実績があります。

セパレーターのサイズ
素材別サイズ分布表
製品最小面積実績1,196mm2
製品最大面積実績18,356mm2

※流路形状、成形面積、材質・板厚等により成形可能限界範囲は異なります。

流路形状

ピッチとは
素材別流路高さ分布表
流路最小ピッチ実績0.6mm
流路最大ピッチ実績3.6mm
流路高さ最小実績0.1mm
流路高さ最大実績0.9mm

※流路形状、成形面積、材質等により成形可能限度は異なります。

流路形状は、直線、波形状、S字形状、Y字分岐形状、狭ピッチ流路等の開発実績があります。

様々なセパレーター

開発内容(サンプルセパレータ)

サンプルセパレータにて形状の異なる3種類の流路を形成しております。お客様のご要望にフレキシブルに対応できる成形技術を持っております。

サンプルセパレータの図解

右写真は開発した金属セパレータの流路形状断面になります。
従来のものと比較してプレス加工難易度が高い「流路ピッチ」・「壁角度」・「角R」にて流路形状を設定し開発を行いました。

  • 製品材料:チタン、ステンレス t=0.1mm
  • 流路ピッチ:2mm(従来の1/2)
  • 流路壁角度:2℃(従来の1/4)
  • 流路角内R:R0.1(従来の1/2)
  • 流路高さ:0.55mm(板厚含む)

流路断面は均一に材料が伸ばされプレス加工することができました。

金属セパレータの流路形状断面

これからの燃料電池の用途

1)産業用燃料電池として利用

工場、公共施設、病院・福祉施設などでは、事業継続計画(BCP)の観点から燃料電池の導入が進められています。
データセンターや公共施設などでは、停電にそなえたバックアップ電源として活用されています。
最近では、工場から排出される二酸化炭素を回収する技術(CO2電解装置)に燃料電池が使われるケースや、水素生成技術(水電解装置)にも燃料電池が使われ、エネルギー脱炭素化に関する技術開発が進められています。

2)バイオガスや水素から発電利用

工場の排水由来や下水処理場から発生するバイオメタンガス、生ゴミなど食品廃棄物由来のバイオガスなどを燃料として発電する燃料電池も導入されています。

3)車両用途として利用

車両の大きさや車体重量、運用環境といった観点から二次電池の採用が不向きなエリアに、バス・トラック、航空機、建機・農機、船舶において、燃料電池の搭載が進むことが期待されています。

今後これらの用途において、燃料電池が「水素社会」のカギとなる重要なものであり、カーボンニュートラル社会に欠かせないデバイスの一つであります。