共同開発秘話

サイベックで導入している設備の中にはメーカーと共同開発した設備が数多くあります。

何故そこまでするのか?業界の常識を超えたこだわりや開発秘話を、社長&開発リーダーに新人西澤がインタビューを行いました。

「機械構造」と「開発マインド」。二つの固定概念を覆した共同開発

折橋・川久保・宮下

(左)加工技術部リーダーの折橋[EG3010担当]
(中)マネージャーの川久保
(右)チーフの宮下[アマダDV-1担当]です

社長:きっかけは、ピッチ精度±1μm/3000mmの大型ジグボーラーの開発だった。構想段階から本当に大変でね、一緒に挑戦してくれたのが牧野フライス製作所さん(以下MAKINOさん)だったんだよ。

 

西澤:どんな点が決め手で共同開発する事になったんですか?

 

社長:固定概念にとらわれない全く新しい機械構造を提案してくれたことだね!
我々が求めていたのは「机上で測定ができ、超精密かつ大型サイズの加工」ができること。そこでMAKINOさんは「テーブルを固定する」という全く新しい概念を提案してくれた。ガントリー構造を用いたその機械は、正に測定器だった。テーブルを固定しているから、ワーク重量が変わった時も門型のヘッドの重量が一定で精度のバラつきがなくなった。だけど難しい課題がまだあってヘッド側の軸にボール螺子を2本にしなければならなかった。その時、専用のボール螺子まで開発してくれた。結果、理想とも言える「加工機でありながら測定もできる機械」を開発してくれたんだよ。

 

西澤:確かツインスピンドルも付いてましたね。

 

社長:そう。こちらからツインスピンドルを要求し、さらにはツインスピンドルに伴うATC(オートマチック・ツーリング・チェンジャー)を付けてくれないかって相談したり。精度条件も±1μmだけど、MAKINOさんは「やります!」ってチャレンジ精神で一緒に挑戦してくれた。MAKINOさんにしてみれば未知の経験で、相当のプレッシャーだったと思うよ。

 

折橋:本当にみんな泣きそうでしたよね・・・

 

社長:検収も相当苦労したしね・・・後日談なんだけど、ウチの顧問が牧野社長にお礼を言われたって。全く新しいものにチャレンジする中で、自分達の限界はここだっていう社員さんの固定概念も覆されたから、会社の雰囲気も変わったみたいなんだ。社員の開発マインドを成長させる有り難い案件でしたって仰って下さったそうだよ。当時は、航空宇宙関連の大型設備の経験のある設計者を担当にして、今までやってきたものづくりと真逆の概念で、超精密大型マシニングセンタEG3010を開発してくださったわけだからね。本当に感謝しているよ!

 

共同開発メーカーに対してサイベックができる恩返しとは

インタビュー中の平林社長

インタビュー中の平林社長

西澤:機械を作ってもらう時の機能面のアイデアはどこから生まれるんですか?加工時に感じたことなどが次の開発に活かされるのでしょうか?

 

社長:もちろんそれもあるよ。後、加工技術の中でターゲットにしている加工精度があるから、それを今ある機械よりもワンランクアップさせるには何を盛り込めばいいのかって考えてオーダーしているよ。

 

西澤:その機械を使う時のオペレータの皆さんの想いを聞かせて下さい。

 

宮下:僕の場合だと、アマダさんと共同で取り組んだ「CCD画像計測機能付プロファイル研削盤DV-1」を稼働させる時、最初は抵抗がありました。CCDカメラで計測して加工するので、干渉の問題など使うこと自体に恐怖心があったんです。でも、経験が蓄積されて使いこなせるようになると、いろいろなアイデアも浮かんできて楽しくなりましたね!

 

社長:立ち上げの時とか、いつも深夜まで仕事してたよな!

 

宮下:はい。「その機械を使えばその精度が出る」というものではなくて、研削のノウハウや加工手法を考えて組み込んでいかないと、いいものはできない。同じ機械でも、自分と同じやり方でないと要求通りの加工はできないと思います。

 

社長:そこがウチの強みだよね!同じ機械だから同様の加工ができるということではなくて、それを使いこなすオペレータの技能がないと機械のパフォーマンスを100%発揮することはできない。

 

川久保:環境の影響や砥石・研削水のコントロールなどいろいろあるからね。それを踏まえて、オペレータは全体的に考えないといけないから。

 

社長:私が大切にしているのは「一度実現した加工や技術が繰り返し再現できる」こと。それを見た時に、やっとこの技術は確立されたって確信する。そして、私達がいいものを作ってお客様にPRする。そうやってお互いに共栄共存できることは、正にビジネスの本質として一番の理想形だと言えるよね。

 

私達だけがいいものを得て、相手が損をするというのは、あるべき姿ではない。そのためにも、私たちはあの最高の機械を使って、メーカーさんの期待以上のパフォーマンスを作っていかないと!素晴らしい機械を作ってくださったメーカーの皆さんに非常に申し訳ないよね。そのぐらい、開発をするっていうことは難しいことだから。やっぱり共同開発をするからには、恩を仇で返すわけにはいかないよ。